Lotus Dream 04



金時が時間ギリギリに出勤すると、新八から事務所に来るよう呼ばれた。

「なに?お小言?」

ふてぶてしく訊ねれば、新八は怒った素振りもなくソファに座るよう促す。金時が訝しみながらも従うと、その向かいに自分も座った。てっきり何事か注意されるものと思ったのだが、新八はただじっと金時を注視するだけだった。

そそがれる視線に金時が居心地の悪さを感じていると不意に、金さん、と新八が淡々とした声を落とした。

「土方さんとの暮らしはどうです?」

気まずいような沈黙のあとに真顔で訊かれたのがそんなことで、金時はわずかに鼻白んだ。

「…なんだよ急に。プライベートにまで首突っ込む気はないー、っつってたのだぁれー?」

以前散々土方のことで相談を持ちかけた金時に、うんざりした顔で勝手にしなさいよ、と言ったのは新八だろうに。金時がそう含ませても新八は黙って見つめるだけで、ますます居た堪れなくなる。再び訪れた沈黙に耐えきれず、金時は降参だとばかりにため息をついた。

「…何事もなく順調だよ」
「何事もなく、ということは、土方さんは相変わらずですか?」
「ああ」

どこか痛ましげに問う新八に、天パの髪を掻き回しながら金時は肯定を返した。

新八が「相変わらず」と評するのは、土方の不可解な反応のことである。

どうやら土方は、金時や神楽がこうして欲しい、と言うことに従うだけで、自分の意思での決断、ということができないようなのだ。

土方が金時のもとに来てから自分の意思で行ったことといえば、食事時のマヨネーズトッピングくらいなものだった。

それだって、当初全く食の進まない土方に焦った金時が、「好きにしていいからとにかく食ってくれ」と醤油やらケチャップやらマヨネーズやらありとあらゆる調味料を並べてみせた結果であって、土方が自発的に行ったことではない。

そうですか、と相づちを打った新八が何やら知り顔でうなずいてみせる。

「なら、あとは金さんが開き直るだけ、ってことですか」
「なんの話?」
「それに関して神楽ちゃんの腹を探る必要はない、ってことです」
「は?なにいきなり。ってかマジなんなの、いきなり。言いてェことがあんならハッキリ言ってくんない?」
「神楽ちゃんが昨日来たんですよ」
「だーかーらァ――」
「金ちゃんヘタレすぎ――だそうです」

にっこりと神楽の言葉を伝える新八に、金時はぶっと噴き出してしまった。

――あとは金さんが開き直るだけ、

ヘタレ、のひと言に、ようやく新八がなんのことを言っていたのかを知る。

「神楽ちゃん、金さんのこと大好きですよね。多分、土方さんのことも気に入ってますよ、あの様子なら」
「…知ってるよ」

神楽が土方を気にかけていることくらい、最初からわかっている。

どこか拗ねたような口調で返すと、新八はやっぱり、とうなずいた。

「金さんと土方さんが幸せなら、神楽ちゃんはそれだけで嬉しいんだと思います」

新八の言葉に金時はわずかに目を見開いた。

幸せ、だとかそんなもの、自分には縁遠いだろうに。そんな言葉を聞かされるとは、と目を丸くする金時に、だから――と新八がやわらかい笑みで続ける。

「腹を探る必要ない、ってことですよ」

言うと、話は終わりだとばかりに新八は立ち上がった。

「さあ、開店まで時間がありません」

ミーティング始めますよ、と事務所を出て行く背中を、金時は茫然と見送った。


* * *


帰宅後、いつもの遣り取りの後にバスルームへと追いやられながら、金時は土方を振り返った。

「そういや神楽が昨日店に来たらしいけど、もしかしてコッチにも来たりした?」

内心恐る恐る問うと、土方はああ、とあっさりうなずく。

「昼間、土産いっぱい持って遊びに来たぞ」
「…なんか言ってた?」
「なんか?」
「えーと、主に俺に関して?」

まさか土方に対してまであからさまなことを言ってからかったりしていないだろうな、と不安に思いながら見つめていると、しばし首をかしげていた土方はああ、と目をまたたいた。

「部屋キレイにしたな、って言ってた」
「…そっか」

返ってきた言葉にホッと安堵し、金時はバスルームへと向かった。

新八の様子や、彼が伝えた神楽の言葉からも、ふたりが金時たちのことを面白がっているだけとは思っていない。

むしろあれは応援しているつもりなのだろう。それはわかる。わかるのだが、そっとしておいてほしい、というのが金時の本音だ。

まるでガキの恋愛だと自分でも情けなく思うが、色恋沙汰で外野からうるさく言われるのは好きじゃないのだ。できれば放っておいてほしい。

そんなことを思いながらシャワーを浴び、リビングに戻った金時は、広がる光景に愕然とした。リビングの、というより、ローテーブルの上に広がる光景に、だ。

そこにはローションやらバイブやらローターやらといった、いわゆるその手の道具が所狭しと鎮座ましましていた。

中にはあきらかにSMプレイ用の道具まである。

えげつない色のディルドに至ってはなんでこんな色なんだろう、と妙に冷静なツッコミすら浮かんだが、それでもあまりにもあんまりな光景に金時は固まってしまった。

「な…コレ…土方、あの、コレ…」

意に介した様子もなくソファで本を読んでいる土方に目を向ける。

土方がどこか真剣な表情で読んでいるのは『図でわかる男同士のセックス』などと書かれた本で、タイトルを目にした瞬間金時は思わずぎゃー!、と悲鳴をあげてしまった。

その声に、本から顔をあげた土方が眉をひそめる。

「金時、うるさい」
「ななななに読んでるのお前ェェェ!」
「神楽が、これに金時の喜ぶことが書いてるから読んで損はないって――」
「かーぐーらーァァァ!」

ここには居ない元凶に呪詛の念を送っていると、土方がなあ、と問うてきた。

「金時はどっちがいいんだ?」

そう言い、土方は開いたページを金時に見せてくる。

そこにはくんずほぐれつ裸で絡み合っている男ふたりの図が描かれていて、つまりそれは金時がタチかネコのどちらがいいかを訊いているのだ、と悟ると再びぎゃーー!と叫んでしまった。

「なに言ってるのお前ェェェェェ!!」
「違うのか?」

きょとんと首をかしげる土方に、イヤイヤイヤ、と金時は首がもげんばかりにかぶりを振った。

違わないが、それでも違う気がする。

「や、違うか違わないかっつったら違わないんだけどね、確かにね、したくないワケじゃないしね、金さんも枯れてないしね、土方君色っぽいしね、ってかぶっちゃけやりたいけどね」

頭の中が混乱したまま支離滅裂な言葉を重ねていくうちに、急にふっと虚しさから冷静になってきた。

神楽の腹を探る必要はない、と言った新八は、あとは金時しだいだと、そう結論づけた。

金時しだい――それはわかっている。

それでもためらっているのは、これは土方の意思ではないのだろう――それがわかるからだ。

「…あのな、神楽の言うこと全部真に受けなくていいんだぞ?ってか、なんでもかんでも神楽の言いなりになるなって」

土方から怪しげな本を取り上げ、金時は深々とため息をおとした。

「俺や神楽に気ィ遣わなくていいんだ。おめーの好きにしていいの。その方が俺は嬉しいの」

好きにしていい、などと言っても、土方にはそれがわからないのだろう。困ったように眉根を寄せる。

その姿に苦笑し、つまりだな、とハウツー本の表紙をとんとんと指先で叩く。

「…こんなこと、神楽や俺が言ったから、ってんでやるようなことじゃねーの。おめーがやりてェって思ってくんなきゃ意味ねーの、俺にも」

でもきっと土方がそんな風に思うことなどないのだろう――そう考えるとなんだか段々悲しくなってきた。

遣り切れない切なさに金時がしゅんと肩を落とすと、しばらく首をかしげていた土方は、

「…俺は…金時がしたいってんなら、構わねェよ」

なんでもないことのようにそう言った。

金時がしたいなら、構わない――。

――金時の喜ぶことが書いてるから読んで損はないって――

それは、金時の喜ぶことをしたい、という土方の意思なのだろうか。

そう捉えるのは余りにも都合がよすぎるだろう、と冷静に判じる自分もいる。けれど――

――あとは金さんが開き直るだけ、

新八のそんな声が背中を押した。

ぶわりと熱が湧き上がった。頭の中がぐらぐらと欲で煮えたぎる。

「…ホントに?」

どくどくと早鐘を打つ心臓が、痛いくらいに煩い。

「それって、俺が喜ぶコトしたい、ってことでいいの?」

こんな訊き方は卑怯だと、良心の諌める声がする。けれど、こくりと土方がうなずいたのを目にした瞬間、そんな良心は理性ごと掻き消えた。

ガッとローテーブルの上から幾つかの品を取ると土方の腕を引き、無言でベッドルームへと移動する。煩すぎる鼓動のせいか、妙に他の音が遠く感じられた。



ベッドの上に横たえさせた土方から服を剥ぎ取ると、自分も裸になった。

土方は金時にされるがまま、抵抗ひとつせずにおとなしくしている。

まるで人形のようだとふと思い――金時の体がぎくりと固まった。

――生きたダッチワイフ

そのつもりで土方を押しつけたのか、とそう神楽に問うたのは金時だ。そんなものはいらない、と言ったその言葉が、今になって自分に跳ね返ってきている。

金時が望めば、土方は拒んだりしないと、最初からわかっていた。だから新八も、あとは金時が開き直るだけだと、そう言ったのだ。

「…金時?」

不意に動きを止めた金時を訝しく思ったのだろう。土方がどうした?、と手を伸ばし、金時の頭を撫でる。

その感触にも欲は煽られ、金時は引き戻せないことを思い知る。

否、今さら自分が引き戻せないことなど承知だった。ならば開き直るしかないということも。

けれどせめて――と金時はどこか心配げに自分を見つめる土方の頬をそっと撫でた。

「…おめーはよ、神楽に拾われたから恩に着てんだろうし、その神楽が言ったから俺んとこに居るんだろうけどさ、俺は神楽に言われたからってだけで、どーでもいい奴と一緒に居られるほど、人間できちゃいねーよ」
「金時?」
「今さら神楽から返せって言われたって手放すつもりねェし、捨てる気もサラサラねェ」

きょとんとしたように自分を見上げる土方に愛しさが溢れる。

最初はただ愛しく思っただけの綺麗な感情だったはずだ。だがそれも、すぐにどろどろとした欲を孕んでいった。

抱きたいと、ずっと思っていたのだ。

けれど、性欲を晴らすために抱きたいのではない。それだけはわかってほしかった。

たとえ金時の自己満足でしかないとしても、それだけは。

「――好きだ」

たった三文字に全ての想いを込めてささやく。それだけのことなのに、なんだか泣いてしまいそうになった。

「好きだよ土方」

好きだから抱きたいのだと、泣きそうなまでに必死の思いで伝えると、一瞬瞳を揺らした土方は、ただ金時の背中に手を回した。

いつものように撫でてくれる感触に押されるようにして、口づける。唇が触れるだけの口づけでも、脳が甘く痺れた。

舌を差し入れ、夢中で絡ませる。ともすると焦るあまり乱暴になってしまいそうな手つきで、土方の全身を撫で擦り、弄った。

唇で首筋を辿り、鎖骨を吸い、徐々に下へと下がっていく。

胸の尖りをちゅ、と吸い上げたら、土方が「ん」と甘い息をついた。それに気をよくして、舌と指とで乳首を尖りを散々こね回す。

「…ッ、ん」

愛撫を与えるのに夢中になっていたら土方の胸が大きく波打った。

顔をあげると、上気して赤く染まった土方の頬が目に入る。薄っすらと汗をかいた土方は、快感を堪えてるためか、震えていた。その双眸はわずかに涙を滲ませ、金時をひたと見つめている。

それを見たら、もうダメだった。初めてなのだから時間をかけてゆっくり進めようと思ったのに、金時が持ちそうにない。

掴んだボトルからローションを手のひらに垂らすと、土方の脚のさらに奥へとそっと這わせた。

触れた窪みにゆっくりと指を押し込んでいく。

「あ…っ」

途端、跳ねた体に、金時は慌てて動きを止めた。あいた手で宥めるように土方の腰を擦る。

「ごめん、痛いよな?なるべく丁寧にやるけど、ごめん」

慎重に指を増やしてなかを掻き混ぜる。ぐちゅぐちゅとローションが立てる音に金時も煽られるが、土方の様子を窺いながらなかを解し、探った。

――確かこの辺って、

そろそろと擦るようにした指に、少しだけ感触の違う箇所が触れる。

しこりのようなそれを指のはらで押すようにすると、びくん、と土方の体が跳ねた。

「あ…!」

驚いたように目を見開く土方に、見つけた、と金時は内心ホッする。

「あ、あぁ…っ!」

びくびくと体を震わせる土方が感じているのは、苦痛だけではないはずだ。

その証拠に土方の性器は勃ちあがり、ふるりと震えては雫をこぼしている。

感じているのだ。金時の愛撫に、感じている――それを感じ取ると、どっと興奮が突き抜けた。頭が焼き切れそうなほどだ。

急いた動きでずるりと指を引き抜き、代わりに猛りきった自身の先端をあてがう。

「――いい?」

返ってくる答えなどわかった上でそれでも訊ねる。卑怯な問いに、それでも土方は涙の膜が張られた双眸を金時に向け、うなずいた。

ぐ、と腰を押し進めると、亀頭がずず、と呑み込まれる。先端が入ると括れの下の感じるところをぎゅう、と締めつけられ、金時は小さく呻いた。脊髄を走った快感に、腰が震えそうになる。

ゆっくりと腰を進め、全てを収めてひと息つくと、土方は綺麗な眉を辛そうにしかめていた。

「ひじかた、大丈夫?」

頬に唇を落としながら訪ねると、土方はへいきだ、と吐息のような声で返してくる。

痛みを堪えるように歯を食い縛っている姿から、平気ではないとわかる。なのに土方はいいから、と行為の先を促す。

それはきっと、金時が望んだからだ。

それを思うと、酷いことをしていると気が咎める反面、どうしようもなく胸が熱くなった。

宥めるように口づけ、舌を絡ませながらゆるゆると腰を揺らめかせた。挿入の衝撃で萎えてしまった土方の性器をやんわりと握り、ゆるく擦る。

「んぅ、っあ、ぁ…」

重ねた唇のあいだから、土方の喘ぐ声がこぼれる。そこに苦痛以外の色が混じっているのを感じ、腰の動きをしだいに大きくしていった。

すでに解けていたのか、ローションの助けも借りて土方のなかは金時の動きを受け入れる。そこに奥まで届くように強く押しつけた。

引き抜いては差し入れて、奥までいっぱいに擦りあげる。

金時の性器が出入りするたびにぐちゅぐちゅと卑猥な音が響く。それすら興奮を掻き立てた。

なかは融けそうなほどに熱く、金時自身に絡みついてくる。きゅうきゅうとやわらかな肉に締めつけられるのが堪らなく気持ちいい。

「あっ、あっ、あ…っ」

突き込むたびに土方がもらす喘ぎ声にも、艶かしく快楽に歪むその顔にも、どうしようもなく煽られる。自分の下で快楽に身を捩る土方が愛しくて、熱は上がる一方だった。

土方の腰を抱き、下から突き上げるような角度でなかを穿つ。指で探し出した場所を抉るように腰をぶつければ、土方は一層大きく体を震わせた。

「んぁ…っ!あ、あ!」

ゆるやかに刺激していた土方自身を、抽挿と同じリズムで強めに扱きあげる。強い快感のためか、なかが金時に吸いつくように蠢いた。

高まっていく射精感に釣られるように、感情も膨れ上がる。

堪らず、ひじかた、と何度も名を呼んだ。

「好き――好きだよ、土方」

好きだと繰り返し、激しく突き上げ、最奥を穿つ。

「あ、あっ、あ――!」

土方は一際高い嬌声をあげると、なかの金時をきつく締め上げて達した。ぎゅう、と絞り取られるような肉の動きに、金時も追従するように吐精する。一滴残らず全てなかに出した。

「――ッ」

どさりと土方の上にもたれ、そこでようやくコンドームをつけてなかったことに気づき、金時は内心ほぞを噛んだ。

どれだけ余裕がなかったのか。否、確かにそんなもの欠片もなかったが、ちょっと最低ではないだろうか、コレは。

そんな反省を噛み締めていたら、金時の下でもそりと土方が身じろいだ。

「ごめん、重かった?」

慌てて立てた肘で半身を支えると、土方は違う、と頭を振った。

「神楽の、土産に――」
「土産?どれ?」

土方に代わってベッドから身を乗り出し、床の上を覗き込む。

放り出された代物のなかにそれらしき物を見つけた。『やってから開けてね』などと可愛らしい字で可愛くはないことが書かれたカードがついているところからして、多分これだろう。

手に取ると意外と重みがあった。

「これ?」

土方に掲げて見せると、当たりだとうなずく。

開けた包みの中から出てきたのは有名な銘柄の煙草とオイルライター、それにシンプルな灰皿の喫煙セットだった。

なんだコレは、行為後の一服というやつか――取り出した煙草を手に、金時は思わずため息をこぼしてしまった。

アイツのエッチに対するイメージってどんなんだ、とむしろ心配になる。

ふと見ると、土方の視線が煙草を持つ金時の手許に注がれていた。

その目がなんだか輝いているように見えて、ふと既視感を覚える。

この目はそう、テーブルに並べた調味料の中にマヨネーズを見つけたときと同じ目だ。

「…吸う?」

もしかしたら喫煙者だったのだろうか。そんな可能性から訊ねると、土方は金時が差し出した煙草を手に取った。

取り出した煙草を咥える様もライターで火を点ける様も、手馴れていると感じる動きだったところから、やはり喫煙者だったのだろうと察する。

美味しそうに煙草を吸う姿に、明日カートンで買ってこようと金時が目を細めていると、不意に土方がふわりと微笑んだ。ととん、と金時の鼓動が跳ねる。

土方のそんなはっきりとした表情を見るのは初めてで、金時は見惚れ――欲情した。

ついさっき吐き出したばかりだというのに、再び熱が上がっていく。腰にじわりと欲が溜まっていくのを感じながら、金時はまるでおあずけさせられている犬のように、土方が吸い終わるのをじりじりと待った。

灰皿に煙草を押しつけて火を消すなり、灰皿を取り上げ床に置き、土方をベッドに押し倒した。

その上にのしかかり顔を覗きこむと、土方が驚いたように目を見開く。

きっと自分は欲情しきった目をしていることだろう。他人事のように推量しながら、金時は濫りがわしい笑みを浮かべた。

「な、もっかい」

しよ、と隠す気もない情欲をあらわにしながら誘いかけると、土方が仕方ないなとばかりにふっと微笑む。

笑みを佩いたその唇に、吸い込まれるように唇を重ねた。すぐに薄く開かれた唇から舌を差し入れる。

絡めた舌は煙草の味がしたが、蕩けるように甘かった。

(12/11/11)



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