140文字劇場 1


140文字銀土劇場。
(出されたシチュエーションとキーワードを入れて140文字以内で銀土小説を書きましょう、というものです。)
↑古・新↓

『海』で【枕】【汚い】を入れて
「枕やろうが汚い手使おうがとやかく言う事じゃねーけどよ」土方の方を見ないままに金時が零す。デート、と突然土方を海辺へ連れ出した男はでも、とどこか苦しそうに続けた。「やっぱ嫌なんだよ、俺が」と泣き出しそうな顔でそんな事を言う。その理由を言えよ、と土方は海風に弄ばれる金髪を見つめた。
(2011/04/13)

『玄関』で【靴】【なぞる】を入れて
玄関の戸を閉めるなりその家の主に抱き竦められる。靴くらい脱がせろっつーか部屋にあげろ、と湧いた不満は声になる前に唇で塞がれた。唇をなぞる熱い舌に促され薄く口を開くと口内に入ったそれが土方の舌を絡め取る。口づけが深くなるころには不満も掻き消え、自分も大概甘いよな、と土方は苦笑した。
(2011/04/13)

『炬燵』で【菓子】【優しい】を入れて
いい加減仕舞えよ、と呆れ気味に言いながら土方が炬燵に足を入れる。いやまだ夜は寒ィじゃん?などと返しながら銀時は土方が天板に置いた紙袋を覗き込んだ。中には銀時の好きな洋菓子が入っている。嬉しくてへらりと笑えば、これを持って来た優しい男は不精してるだけだろ、と赤い顔でそっぽを向いた。
(11/04/15)

『玄関』で【足】【ムカツく】を入れて
今日はきっと――と予感はあった。だが玄関を潜るとやはり羞恥やら困惑が沸いてきて、思わず足が固まる。さっさと入れば?、などと言う男はいつも通り飄々としていて、カチンときた。「…余裕じゃねェか」ムカつく――と吐き捨てると、余裕だァ?、と万事屋が顔を顰めた。「ンなもんハナからねェよ」
(11/04/18)

『ベンチ』で【妊娠】【甘い匂い】を入れて
倒れる様にベンチに腰掛けた。二日酔いか酷く胃がムカつく。ふと甘い匂いが漂い、こみ上げた嘔吐感に口を押さえると「責任取るから」そんな言葉が降ってきた。顔を上げると銀時が目の前に立っている。責任?首を傾げたら野郎は真剣な顔で口を開いた。「妊娠したんだろ?俺のガキ」殴っていいよなコレ。
(11/04/21)

『万事屋の押入れ』で【カレンダー】【騒ぐ】を入れて
万事屋の戸を叩き、居るなら出せだのと騒いだ連中が「見かけたら屯所まで連行してくだせェ」と漸く帰った。「帰ったぜ」苦笑しながら押入れに声をかけると、僅かに開いた隙間から土方が渋面を覗かせる。カレンダーの日付は5月5日。誕生会とやらから逃げてきた彼は自分には祝わせてくれるだろうか。
(11/04/29)
(気持ちとしては「お誕生会(笑)」。全力で逃げたくなるほどの「お誕生会(笑)」)

『路地裏』で【泥棒】【好き】を入れて
薄暗い路地裏に土方を追い詰めた男が、いい加減認めろって、と捕食者じみた眼で笑う。何をだよ、と土方はその双眸を睨んだ。「俺のこと好きだって」「ねェよ」「嘘吐きは泥棒の始まりだぜ?」警察がそれでいいの?と銀時が知り顔で言うのが腹立たしいが、土方には暴れる鼓動を宥めるのが精一杯だった。
(11/05/04)

『煎餅布団の上』で【涙】【殴る】を入れて
煎餅布団の上で絡み合いながら、自分の下で快楽に喘ぐ男を眺めた。欲しくて欲しくて手を伸ばしたのだが、彼と体を繋げている現実が信じられない。コレって夢?と見つめていたら、土方が涙の滲んだ瞳を眇めた。銀時の背中を弱々しく殴る。可愛らしい「早く」の合図に残っていた僅かな理性は焼き切れた。
(11/06/10)

『縁側』で【雑誌】【もしも】を入れて
自室を出ると何故か銀時が縁側で難しい顔をしていた。土方の姿を認めるなり、お前コレ、と開いた雑誌を突きつける。真選組に関する記事が載っているそれを指し示し銀時は、何この写真、と顔を顰めた。「こんなんもしおかずにされても文句言えね――」「帰れ腐れ天パ」阿呆なもしもに土方は心底呆れた。
(11/12/17)

『ベンチ』で【ボタン】【擦り上げ】を入れて
立ち寄った公園のベンチで煙草を咥えようとして、袖口のボタンが取れている事に気づいた。そこから小さな擦り傷が覗いている。俺のモンに勝手に傷作んのやめてくんね?――ふと蘇ったのは、先程町中で顔を合わせた銀髪の男の台詞で、土方はこの事か、と気恥ずかしさに襲われながら傷口を擦り上げた。
(12/06/10)

『吉原』で【トシ】【撫でる】を入れて ふたつ
何でご立腹よ、と声をかけると土方から眇めた目が返って来る。吉原まで不逞浪士を追って来た土方と偶然かち合い、無理矢理部屋に連れ込んだのだから仕方ないが、浪士の隣部屋を選んだ辺りは褒めてほしい。そんな言い訳を胸に、邪魔しねーからお仕事続けてトシ君?などと、するりとその頬を撫であげた。

トシ、と呼ぶ聞きなれた声に鼓動が跳ねた。驚いて声の方を見やれば視線に気づいたのか二人の男が銀時を振り返る。目を丸くする男たちの姿に、銀時の中でどす黒い感情がぞろりと蠢く。何故この吉原に警察である近藤と土方がいるのか――嫌な想像が感情を撫であげ、腹の奥底でぐらりと怒りが沸いた。
(12/07/19)

『万事屋の押入れ』で【シーツ】【愛してる】を入れて
押入れの薄暗闇の中、洗い置きのシーツに埋もれ土方と二人息を殺す。玄関先で盛り上がった所に階段を駆け上る足音が聞こえ、慌ててここに飛び込んだ。足音の主だった新八が「あった」と再び出て行く音がして漸く息を零す。それが妙に可笑しくて同時に噴出すと、愛してると言えない代わりに唇を重ねた。
(12/07/21)

『花火大会』で【虫かご】【飛ぶ】を入れて 現パロ
子供の頃は楽しかった夏休みだが、高校三年ともなると受験に向けての日々で嫌気が差す。幼馴染みの銀髪天パと虫かご片手に飛び回ってたあの頃は良かったな ――などと土方が現実逃避をしていたら不意に携帯が震えた。脳裏に浮かんでいた人物の名前が表示される。【件名】今日の花火大会一緒に行かね?
(12/07/27)
(ちなみに本文は空っぽ)
(その後、土方君の返信→件名「行く」本文「つか使い方間違ってるだろバカだろお前」 から、件名で待ち合わせの連絡を、本文で罵り合うというふたつの遣り取りを延々とすればいい)

『公園のブランコ』で【明星】【さようなら】を入れて 現パロ。↑の続き。
花火の帰り道、近所の公園に立ち寄った。小っせ!と笑いながらブランコに座る銀髪と、昔よくここで遊んだ。宵の明星がはっきり見える頃にさよならをして、また明日、と当たり前のように約束したあの頃は、そんな日がずっと続くと思っていた。今じゃもう――と、それでも帰りがたく思う自分に自嘲する。
(12/07/29)

『万事屋』で【ガソリン】【鬼ごっこ】を入れて 「ガソリンと鬼ごっこ」の元140文字
「よこせ!」「やなこった」万事屋の事務所で銀時は土方から逃げ回っていた。一見鬼ごっこだ。「てかその手のソレ何、ガソリン!?何でガソリン!?」「決まってんだろ!」燃やすんだよソレ、と土方が指すのは銀時が持つ数枚の写真――土方をハメ撮りしたソレで、渡さねェよ、と銀時は強く掴み直した。
(12/08/05)

(2011/04/13〜12/08/05)
(12/12/13 up)